忍者ブログ
管理画面  新しい記事を書く  コメント一覧  トラックバック一覧
地の最果てには、陽の沈まぬ国があるという。ならば海の先には何がある?
ダ・ヴィンチ 12月号

ダ・ヴィンチ 12月号 平成22年12月6日発行


悪霊シリーズが発売されたのが1989年。実に20年以上前です。雑誌には、作品が発売されてから今までの時代背景が対比表があり(P14、ダ・ヴィンチ12月号より。以下ページ数のみ表記)、昭和の香りが色濃く残る平成1年から、今はすっかり昭和という色が払拭された平成23年。思えば遠くまで来たもんだ・・・、とつい黄昏にくれてしまったり(笑)

『「ゴーストハント」シリーズ復刊! 先ごろ発表されたこのニュースに、耳を疑った読者も少なくないだろう。(P17、1段目)』

という記事から始まる、ロングインタビューの記事。まったくだ!と同意した人は菜花だけでなく、多々いらっしゃるはず。特にファン歴が長ければ長いほど、感慨は深かいだろう。
以前、海外でのインタビューで、『昔書いた少女向けのホラー小説の手直しをしている』と答えていると話題がボウフラのごとくにわきかえり、もし本当だったらいいのにな・・・、というファンの消極的な願いを残し、いつの間にか沈静化していましたが。コレの事だったんですね~一喜一憂してた人はことさら嬉しいでしょうね~菜花はインタビュー記事が載っている媒体が分からず、本文どころか翻訳文すら眼にしたことがないので、へぇ~で終わらしていましたが。ちなみに、その記事を実際に読んだ人はいるのでしょうか。

さて、ロングインタビューですが、当時の執筆状況等を知ることができ、想像や推測していたのと重なるところに、ああやっぱりと頷くことしばしば。
シリーズを出し直すという話は何度か出ていたらしいのですが、現実に至らずに終わってしまったのは、一読者にはわからない、出版社側の思惑とかもあったのでしょう。話が出るたびに書き直しをしていたそうで、小野氏のほうは前向きに検討していたと思うんですが。そんなこんなで、読者にはわからない紆余曲折の末、リライト版が発売されるに至ったそうです。
こうして残念な結果が続いたことで、原作が手に入りにくい状況が思いのほか長い期間、多くのファンがコミックを読んで無聊を慰めるしかなかった。このまま永久凍土になるんだろうと密かに考えてましたよ、菜花は。その事情は小野氏も知っており、憂いていらしたようで、今回のリライト版はコミックのイメージを意識した作品になっているらしい。

『「今回の完全版はいわばコミック版のノベライズのようなもの。いなださんが抽出してくれた要素をもとに、あらためてストーリーを膨らませました。原作が手に入りにくかった時代、コミック版こそが唯一の『ゴーストハント』だった。作者にとっても読者にとっても、コミック版抜きにこのシリーズは語れないんです」(P17、3-4段目)』

ちなみに、悪霊シリーズの発端が『霊能者の戦隊もの』だったことに思わず噴出し、そして某サイトのお話しを思い出した方も多いのではないでしょうか。すごいなHさん、主上と発想が同じだよ!(笑)
ついでに当初は、ナルと麻衣とぼーさんの三角関係にする予定だったそうですが、早々に諦めたそうです。・・・・・・うん、諦めてくれて良かったかな。ナルの性格からして、その設定はちょー微みょー
今は比較的縛りの少なくなった(と思われる)ライトノベルですが、悪霊シリーズが刊行された当時はもっときつかったらしい。小野氏があんな文体であの程度の文章に抑えるんだから、新人だったというのもあるのでしょうが、結構厳しかったのでしょうね。

『「当時の少女小説にはルールがいっぱいあったんです。女の子の一人称小説で、なるべく難しい漢字は使わない、少ないページ数で収める、というような。特に恋愛小説であることは絶対条件だったんですが、私はもともと恋愛を書くのが得意じゃない」(P18、3段目)』

十二国記や屍鬼を読むとそのギャップに唖然としてしまいますからね~(苦笑)リライト版は、十二国記等のファンでも違和感なく読めるような文章になっているそうです。悪霊のファンである自分にとっても、それはありがたい。

『1989年、シリーズ第1作にあたる『悪霊がいっぱい!?』が刊行された。当時は日本ホラー大賞も、角川ホラー文庫もいまだ存在していなかった時代。ホラーに対する一般の理解も、十分なものとは言えなかったようだ。
「実はシリーズ第2作(『悪霊がホントにいっぱい!』)の原型に当たる作品を先に書き上げていたんです。それが怖すぎるという理由で没になってしまった。ホラーを書いているのに怖いのが駄目ってどういうこと、と呆然としました。当時は『女の子は怖いものが苦手』というのが大方の意見だったんです。」(P18、5段目。P19、1段目)』

わかっていませんね、当時の編集部。女子は「きゃー怖い」とか言いながら、眼を覆った手のひらの指の隙間から、その怖いのを覗く生き物ですよ。

『そして2010年。シリーズ完結以来約18年の時を経て、渋谷サイキックリサーチがわたしたちの前に帰ってくる。リライトされた完全版は、旧シリーズの雰囲気をそのまま残しながらも、大人の読者の鑑賞にも堪えうる、極めてクオリティの高い長編ホラー小説に仕上がっている。
「文章はもちろんですが、エピソードや構成も結構いじっています。当時はページの都合で、本来なら二転三転させるべきストーリーを、一転しかさせられなかったりした。今回やっとあるべき状態にすることができました」
エピソードが細部まで書きこまれた結果、ホラー小説としても恐怖度も格段に高くなっている。
「あらためて読み返してみると、旧版ではあまり怖いシーンって書いていないんです。怖いシーンを積み重ねるより、ネタそのものの怖さ重視、みたいな気分があったんでしょう。そのへん、時間が経って書き方が変わったと思います」(P19、5段目。P20、1段目)』

本来あるべき状態に戻ったというリライト版。怖さも増量されたというので、すごく楽しみです。菜花は原作を読んで怖いと思ったことはないので。小野氏も言っていますが、ネタとしては怖いんだろうけど、そんなに怖いシーンと言うのは少ないですよね。ウラドは結構怖い方だと思うけど。
基本、フィクションはフィクションとしてしか捕らえないようにしてるんですよね。何でもかんでも怖がってたら、生きていけませんもん。フィクションなんかより、ノンフィクションの方が何倍も怖いから。
 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新記事
カウンター
忍者ブログ [PR]